大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(あ)1109 判決

主 文

原判決が、被告人に対し、原審における未決勾留日数中一二〇日を本刑

に算入した部分を破棄する。

原審における未決勾留日数中二〇日を本刑に算入する。

その余の部分に対する本件上告を棄却する。

理 由

検察官小幡勇三郎の上告趣意について。

記録によれば、被告人は、本件につき、起訴前である昭和三九年一月一四日勾留

状の執行を受け、その後一、二審を通じ引き続き勾留を継続されているものである

が、これよりさき、昭和三九年一月一三日名古屋地方裁判所一宮支部で賭博開張図

利罪により懲役一年六月に処せられ、これが同年一〇月二七日確定し、同日から右

刑の執行を受け、昭和四一年三月二日にその刑の執行を受け終つたものであるとこ

ろ、被告人は本件第一審の判決に対し、右刑の執行開始後である昭和四〇年八月一

〇日に控訴を申し立てたが、原裁判所は、これに対し、昭和四一年三月二三日控訴

を棄却するとともに、原審における未決勾留日数中一二〇日を本刑に算入する旨の

判決を言い渡したものであることが認められる。

ところで、右のように勾留と刑の執行とが競合している場合、その重複する部分

の未決勾留日数を本刑に算入することが違法であることは、論旨引用の当裁判所の

判例(昭和二九年(あ)第三八九号、同三二年一二月二五日大法廷判決、刑集一一

巻一四号三三七七頁)の示すところであるから、原審における未決勾留日数のうち

被告人の本刑に算入しうべき限度は、右刑の執行終了の翌日である昭和四一年三月

三日から、原判決言渡の前日である同年三月二二日までの二〇日である。しかるに、

原判決が、これを超えて、原審における未決勾留日数中一二〇日を本刑に算入する

旨言い渡したことは、右判例に反して刑法二一条を適用した違法があり、論旨は理

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由があるから、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原

判決が被告人に対し原審における未決勾留日数中一二〇日を本刑に算入した部分を

破棄し、刑法二一条に則り、原審における未決勾留日数中二〇日を本刑に算入する

こととし、原判決その余の部分に対する上告は、上告趣意として何ら主張がなく、

したがつてその理由がないことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条によりこ

れを棄却すべく、当審における訴訟費用は、同一八一条一項但書により被告人に負

担させないことにし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

検察官岡嵜格公判出席

昭和四一年一二月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

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